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【12月21日(日)】令和7年度歯科医師認知症対応力向上研修会

抄録

東京都健康長寿医療センター研究所 自立促進と精神保健研究チーム
認知症と精神保健研究室 専門副部長/歯科医師
枝広 あや子

 令和6 年から認知症の人の人権を明記した「共生社会の実現を推進するための認知症基本法(通称:認知症基本法)」が施行されました。認知症には誰もがなり得る・認知症にな
っても希望をもって自分らしく暮らし続けることができる、という「新しい認知症観」を得て、“だれにでも口腔があって、食の喜びを享受し”、“自分らしく活動するためには健康
な口腔でなんでも好きなものを食べられることが大事である”と当たり前のことを主張したいと思います。
 認知症と診断された人の口腔が他の疾患を抱える患者と異なるか、と言われれば、その答えは否です。しかしながら、多くの医療従事者にとって、“認知症の方への医療提供は難しい”と思わせてしまうのは、目に見えない認知症の神経心理学的症状の理解が難しいから、という点にあるのではないでしょうか。
 認知症の神経心理学的症状は、生活のしにくさを起こし、全般的な衛生状態が悪化しやすくなりますが、その中でも口腔衛生は複雑な機能が必要であり早期に困難が生じます。また他人の意図を読み取れなくなり、多くのことに不安や恐怖を感じるようになることで、通り一辺倒の伝え方では支援を受け入れにくくなることがあります。一方で、接し方の工夫で上手に治療や支援を受け入れることができるケースもあります。
 認知症の症状を理解し、合理的配慮することが、可及的に口腔の健康を保ち、地域で暮らす支援の鍵になるでしょう。


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