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【2月22日(日)】令和7年度 障害者歯科医療研修会

抄録

よこすな歯科クリニック
院長 小笠原 正

 私達の患者さんは、知的能力障害、精神障害、身体障害のある人達であり、口腔内状態だけでは、治療方針を決めることができません。さらに障害のある方は、心疾患や精神疾患などを合併していることも珍しくありません。知的発達症があるがゆえに歯科治療が困難であれば、まずは知的発達症を評価しなければなりません。それが彼等の可能性を知ることになり、治療方針を保護者へ提示する際の行動調整法の選択肢となります。本人と保護者にとって最善な治療方針を決めます。またDown症候群であれば、知的発達症だけでなく、先天性心疾患、てんかん、 ADHDなどの神経発達症、もやもや病、甲状腺機能低下症・亢進症、Ⅰ型糖尿病、免疫機能不全、難聴、鼻炎、環軸椎不安定症、眼科疾患、肥満、骨粗鬆症など、様々な疾患を合併することがあります。さらに加齢とともにアルツハイマー型認知症やてんかんの合併頻度が高くなります。そして平均寿命の延伸に伴い、高血圧や虚血性心疾患などの循環器疾患やⅡ型糖尿病の頻度も高くなります。
 保護者と本人へ現在の病気の経過や状況を漏れなく尋ね、情報収集を行なうことは、安全な歯科医療のための第一歩です。そして歯科治療を行ううえでの問題点(プロブ レムリストを抽出し、それを評価して、プロブレムに対する対応を検討し、カルテへ明記します。それは、どのスタッフが担当しても誤りがないように歯科治療を進めることができます。さらに障害のある人への保健指導は、本人だけでなく、周囲環境の問題があり、困難なことが多くあります。歯科的健康管理のためには、本人の能力と口腔内状態だけでなく、生活習慣や食習慣、そして保護者の状況と社会環境も評価します。それは、指導を行う上で最も大事な指導ポイントを選択でき、どのスタッフが担当しても継続した指導を可能にします。
 今回は、頻度が多く、歯科治療を困難にする下記の疾患について歯科治療上のプロブレムと対応、保健指導は本人への指導と保健指導についてご説明します。これらは、認定医や専門医、認定歯科衛生士の詳細症例の記載時にも役立ちます。

  1. 知的発達症
  2. 自閉スペクトラム症
  3. Down症候群
  4. 先天性心疾患
  5. てんかん

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