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【6月21日(日)】令和8年度富山県歯科衛生士会研修会

抄録

富山大学学術研究部医学系歯科口腔外科学講座
教授 山田 慎一

 口腔癌は希少がんに分類され、すべてのがんの中で占める割合は2%程度とされています。本邦では希少がんは「10万人中6例以下の発症率」と定義され、口腔癌はその中では一番多いものとなっています。また、近年の超高齢社会に伴い、高齢口腔癌患者が増加しています。その一方で、舌癌などでは若年者の症例も多くみられます。口腔は直接みることができ、直視性、直達性に優れている部位です。しかしながら、口腔は狭い領域ですが多くの機能を有し、がんに対する広範な根治切除や術後補助療法により機能の大幅な低下が生じ、がんサバイバーのQOLの著しい低下に繋がります。腫瘍は4週間で40%増大するとされ、診断から治療(切除)までの期間が長くなると予後も低下します。そのために早期発見と早期治療が重要です。近年、早期がんの発見率は増加してきており、これは予防管理の普及が大きな要因とされています。そのため、日常診療で、多くの患者さまの歯周管理、口腔機能管理を行い、口腔内を診る機会が一番多い歯科衛生士のみなさんが口腔癌の発見に果たす役割は非常に大きいものがあります。
 本講演では口腔癌の基礎的な事項から、粘膜疾患の診方、現在、富山大学で行っている口腔癌の標準治療についてお話させていただきます。本講演が富山県歯科衛生士会のみなさまの明日からの診療に役に立つように務めさせていただいますので、宜しくお願いいたします。

講師略歴

2000年長崎大学歯学部歯学科卒業
2000年長崎大学大学院歯学研究科入学
2004年長崎大学大学院歯学研究科修了
2004年長崎大学医学部・歯学部附属病院 助手
2004年Baren 長崎大学大学院 医歯薬学総合研究科 助手
2009年長崎大学病院 口腔顎顔面外科室 講師
2011年カロリンスカ研究所(スウェーデン)分子細胞生物学講座
2015年信州大学医学部附属病院 特殊歯科・口腔外科 准教授
2022年富山大学学術研究部医学系歯科口腔外科学講座 准教授
2024年富山大学学術研究部医学系歯科口腔外科学講座 教授
現在に至る