学ぶ

【9月30日(水)】令和8年度富山県歯科衛生士会研修会

抄録

東京都新宿区 ふれあい歯科ごとう
五島 朋幸

 歯科治療は、口腔環境を整え、機能の維持・向上を図る営みである。とりわけ歯科訪問診療では、「食べる機能」を支え、最期まで口から食べることを可能にする支援が重要となる。
 口から食べることが困難になる背景は多様である。脳血管障害や神経筋疾患に伴う嚥下障害に加え、誤嚥性肺炎や大腿骨骨折による入院後、サルコペニアを背景として嚥下機能が低下することも少なくない。
 私たちは2009年、東京都新宿区で新宿食支援研究会を発会した。食支援とは、「本人、家族に口から食べたいという希望がある、もしくは身体的に栄養ケアの必要がある人 に対し、適切な栄養管理、経口摂取の維持、食を楽しんでもらうことを目的として、リスクマネジメントの視点を持ち、適切な支援を行うこと」である。
 地域には、口から食べることに問題を抱える在宅高齢者が少なくない。そのすべてに専門職だけで応えることは困難であり、市民を巻き込んだ地域ぐるみの活動が欠かせない。
 その鍵となるのが、食の異変を見つける人(M) 、適切な支援につなぐ人(T)、結果を出す人(K)を地域に育てること、さらに専門職が食の大切さを社会へ広めること(H)である。「見つける、つなぐ、結果を出す、そして広める」( MTK&H® )。この実践の積み重ねが、最期まで口から食べられる街、そして社会をつくる。